玉木新雌 播州織ブランドを起点にして、循環型の村をつくる

先染の特徴を活かしたデザインや、柔らかな風合いを持つ商品が人気の播州織ブランド「tamaki niime」。播州織の産地・西脇市に移住し、生地を仕入れるのではなく織ることから始めた理由や、コロナ禍を商機に変えたアイデア、ブランド展開の一環で農畜産業まで行う狙いを、代表の玉木氏に聞いた。

玉木 新雌(有限会社玉木新雌 代表取締役)

唯一無二のものづくりを志し
職人の近くで働ける環境を選択

兵庫県北播磨地域は、国内で生産される先染綿織物の約6割を占める産地だ。寛政時代に、火災で焼けた御所を修復するために召集された大工たちが、西陣から織織機の技術を持ち帰ったのをきっかけに、現在の西脇周辺で織物業が広まったと伝えられている。綿作や染色に適した自然環境のもとで西脇に定着した「播州織」は、2008年に地域団体商標(いわゆる地域ブランド)に認定された。

「輸出向け産業として発展し、ガチャンと1回機械を動かせば1万円儲かることから“ガチャマン”と呼ばれていたそうです。衰退したと嘆く方もおられますが、現役の職人さんもまだまだ残っておられます。日本全国の織物産地が縮小傾向にある中で、産地内で全ての工程を一貫して行うことができるのは、本当にすごいと思います」と語るのは、2004年に播州織のブランド「tamaki niime」を立ち上げたデザイナーの玉木新雌氏だ。

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