ウノフク 生産者と消費者をつなぎ、地域の魅力を伝える
創業100年を迎えた豊岡の鞄ファブレスメーカー、ウノフク。同社は2022年に、鞄を含めた豊岡の地域伝統産業品をアピールするプロジェクト「4U by UNOFUKU(フォーユーバイウノフク)」を始動。ウェブショップと銀座の店舗を同時にオープンさせ、ギフト需要に応え得る高級な職人技をOMOで伝えている。
豊岡の鞄業界で自社企画を貫く老舗卸
経済産業省が発表している工業統計(2013年)によると、兵庫県豊岡市の鞄出荷額は約102億円で全国トップ。東京・大阪がカジュアルバッグ、名古屋がランドセルを中心とするのに対してビジネスバッグに強く、医療用などの特殊用途にも対応する技術力の高さで「鞄の街」と称されてきた。
「ただし、自社製品をつくるよりも、有名ブランドからのOEMを中心とする企業が多いのが特徴です。足元の受注は安定していますが、メーカーとしての知名度は上がりません。すると、家業を継ぐことになる子どもたちは希望が持てないと感じるようで、進学などを機に豊岡から離れて戻ってこないケースが増えています。また、1990年代に生産を海外に移した企業も多く、国内で縫製ができる人も少なくなってしまいました。二重の意味で、人材不足に陥っています」と豊岡の鞄産業の課題を語るのは、ウノフク代表の卯野祐也氏だ。
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