三松 製造業プラットフォーム戦略で、次の50年に挑む
金属加工を核とする「製造代行サービス」を標榜し、成長を遂げてきた三松。製造する月約12万点の生産アイテムのうち7割が1点ものや試作品で、多品種少量生産に特化している。「停滞は衰退」をモットーに、ロボットSIer事業などの新領域にも注力する同社の事業構想について、社長の田名部徹朗氏に聞いた。

田名部 徹朗(三松 代表取締役社長)
取引先の会社を買い取り
農産品の乾燥機を開発
2024年に創業50周年を迎えた三松は、福岡県筑紫野市を拠点とする薄物板金加工サービスを提供する企業だ。部品加工にとどまらず、設計・開発・加工・塗装・組み立てまで、顧客のものづくり全体を一気通貫で支援する体制を構築。生産品目の約7割が1点ものや試作品という多品種少量生産が特徴で、社長の田名部徹朗氏自ら、「製造業のプラットフォーマー」を標榜する。
福岡県筑紫野市に位置する三松の本社全景
「1972年に設立された断熱パネルを扱う会社を父が買い取り、74年にタバコの葉の乾燥機をつくる仕事からスタートしました。ただ、この事業は繁閑ギャップがあり、年の半分は仕事がない状況になります。この『もったいない時間』を埋めるために、どんこ(シイタケ)やイ草の乾燥なども始めました」
繁忙期の業務の利益で、レーザーカッティングなど当時としては珍しい高額な設備を導入すると、単純な切断加工だけでも多くの仕事が舞い込むようになった。機械の開発設置に比べて手離れ良い仕事となり、業績を伸ばした。
しかし、競合他社も同様の設備を使うようになれば、最先端だったはずの技術が一気に陳腐化してしまう。価格競争に巻き込まれぬよう、事業変革が必要だった。
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