ラコーム 付加価値により工場として自立し、メーカー依存から脱却
繊維の国内有数の産地である福井県。そこで約80年間、縫製事業を続け、ファッション産業の発展に貢献してきたラコームは、メーカーありきの状態から「工場としての自立」を目指し、組織改革と新規事業への挑戦を続けてきた。その経緯や現状について、代表取締役の織田研吾氏に聞いた。

織田 研吾(株式会社ラコーム 代表取締役)
労働環境改善へ
付加価値で自立する
ラコームは1948年に縫製工場として創業後、アメリカ向けの輸出用ワークウェアの生産を主軸に事業を展開。その後は対応可能な製品を拡張することで、大手ブランドを中心に縫製関連の受託業務を多数担ってきた。
現在、同社を率いるのは3代目の織田研吾氏だ。祖父が立ち上げた会社を父が引き継ぎ、2017年にそのバトンを託された。間近で家業を見続けてきたなかで数回の転機があったと振り返る。
「1990年代は中国での安価な生産が一気に加速し、数ではもう戦えないと実感しました。そこでボトムスにアイテムを特化して、そのなかで多品種小ロット体制へ切り替えることで強みを明確にするとともに、メーカーから言われたことは何でもやるという姿勢を売りにして受注していました」
最大の転機は2016年に訪れた。国内の労働環境が問題視されるようになり、多くの企業に働き方改革が求められた。効率よりも難しい注文をこなすことに全力を注いでいた同社にとって、それを実現することは企業としての根幹を揺るがす大きな問題になった。
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