養父市 メタバースを活用し、つながり人口100万人へ

養父市は今年6月、常設メタバース空間「バーチャルやぶ」を吉本興業と連携で開設。当面は観光コンテンツが中心だが、同社のタレントも参加するイベントなどを開催し、リアルの来訪につなげる。事業を主導した養父市の苗村孝之氏は「メタバースと自治体施策は親和性が高く、大きな可能性がある」と語る。

苗村 孝之(養父市経営政策・国家戦略特区課)

吉本興業と連携して開発した
養父市の「バーチャルやぶ」

2022年6月27日に仮想空間上で開かれた「バーチャルやぶ」のオープニングセレモニーには、司会を務める吉本興業のタレント兼クリエーター、ガリガリガリクソンさんをはじめとする出席者が全員アバターで登場。養父市の広瀬栄市長もアバターに扮して挨拶をし、「メタバース空間であれば、世界中どこからでも、養父市の自然や観光名所を楽しみ、市民と交流してもらうことができる。バーチャルで100万人が交流できる都市を目指します」と大きな目標を語った。

2022年6月27日に開催された「バーチャルやぶ」のオープニングセレモニー。広瀬栄市長を含む出席者の全員がアバターで登場した

養父市は兵庫県北部に位置し、人口2万2千人を擁する。2014年には全国で初めて中山間地の農業改革を目指す国家戦略特区の指定を受け、農業関連企業の参入を促す取組でも注目を集め、挑戦する気風が根付いている。昨年秋に策定したまちづくり計画では、2030年の将来像として「豊かで持続可能なスマートヴィレッジの共創」をうたい、「SDGsの考え方をもとに新しい中山間地域の創造を行い、デジタル技術を活用するなど、賢く、活発な田舎として様々な挑戦が可能なまちづくりを目指す」ことを掲げた。

「これを踏まえて、実人口だけでないつながり人口を増やすことで、少子化・高齢化・人口減少といった課題の解決を図っていきたいと養父市は考えています。その一つの手段として、コミュニケーションツールであるメタバースの活用に着目したのが昨年の秋のことでした」と、バーチャルやぶの事業を主導した、同市経営政策・国家戦略特区課の苗村孝之氏は語る。

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