東京都医師会 報酬改定と2025問題から考える医療の未来

我が国の高齢化率はまもなく30%を超える。医療や介護の分野では費用負担増や担い手不足などの問題が表出し、これまで以上に業種業界の事情や立場を越えた連携が必要になる。高齢社会に生きる私たちは何を考えるべきか、東京都医師会会長の尾﨑治夫氏に話を聞いた。

尾﨑 治夫(東京都医師会 会長、
おざき内科循環器科クリニック院長)

元気な高齢者を増やしたい
企業のフレイル予防に期待

総務省『令和5年版高齢社会白書』によれば、2022年10月1日時点の65歳以上人口は3624万人。高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は29.0%で、数年内に30%を超えることが確実視されている。こうした人口トレンドはあらゆる業種業界に関係するが、とりわけ医療や介護は影響が大きい。団塊世代の全員が75歳以上の後期高齢者になることで、医療や介護がひっ迫することが懸念される「2025年問題」はその象徴的な事象と言える。あと2年後に迫った2025年を前に、東京都医師会会長の尾﨑治夫氏は「健康寿命の延伸」の重要性を説く。

図 高齢化の現状

資料:総務省「人口推計」令和4年10月1日(確定値)
(注1)「性比」は、女性人口100人に対する男性人口
(注2)四捨五入の関係で、足し合わせても100.0%にならない場合がある。

 

「高齢になれば疾患を抱えるのは当然のことですが、できるだけ生き生きと前向きに暮らせる期間を長く保ってほしいと思っています。介護に頼らず元気に活躍できる高齢者が増えれば、経済にも好影響が及びますし、限られた医療のリソースを必要な方のために使うことができます。健康寿命を延ばすために重要なのはやはり予防。特にフレイル(虚弱)は要介護のリスクを高めますから、自治体や企業にもフレイル予防にご協力をいただきたいと考えています」

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