移動制限がない社会へ 「もったいない」移動をシェア乗りで解消

ライドシェアの問題が世間で語られるときに、まず話題にあがるのはドライバー不足の問題だ。そのなかでNearMe(以下、ニアミー)は「量」を解決するだけでなく、同時に移動の「質」も上げていくことが重要という考えのもと、2023年に「シェア乗り構想」を発表。CEOの髙原幸一郎氏にその詳細を聞いた。

髙原 幸一郎(株式会社NearMe 代表取締役社長)

これまで延べ65万人が利用
空港シャトルサービス

ニアミーは「社会のあらゆる『もったいない』を解決し、サステナブルで活き活きとした未来を実現する」というビジョンを掲げ、2017年に設立された。まず取り組んだのは、1台に対して乗客が1人で利用することが多いタクシーだった。最終電車や最終バスの後に長蛇の列になるタクシー乗り場の『もったいない』を解決しようと、2018年にタクシー相乗りのユーザーマッチングアプリを開発しリリース。アプリで行き先を入力すると目的地が近い人を見つけることができ、相乗りが可能になる。タクシーが走る最適なルートはもちろん、乗車した全員が得になる料金も自動計算され、途中下車する人の料金は、最後まで乗る人の口座に自動で振り込まれるというモデルだった。

このモデルにはニーズがあったが、「利用するには事前にアプリをいれておかなければならず、認知度を上げるには、お金と時間がかかると考えました」と話すのが、ニアミーCEOの髙原幸一郎氏だ。

髙原氏はその後、エアポートシャトル向けサービスに着目する。その理由は、既にニーズと市場があり、アプリ不要でサービスを展開できることからスムーズに認知拡大を見込めると考えたからだ。2019年8月に開始したところ、この読みは的中し、2020年には約1万人だった利用者が2022年には10万人と急増し、さらに現在では延べ65万人が利用するまでになった。利用できる空港は、成田や羽田、新千歳や福岡など全国16カ所で、旅行者数で言えば全体の8割以上をカバーできる体制にまでなった。

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