田野屋紫蘭 海と人の架け橋となる塩づくりに情熱注ぐ

高知県安田町で完全天日塩を製造する田野屋紫蘭(たのやしらん)氏と田野屋白兎(たのやはくと)氏夫妻。この名前は本名ではなく、塩づくりの師匠である田野屋塩二郎氏から与えられたものだ。「田野屋紫蘭」は現在、2人のビジネスの屋号かつ、塩のブランドネームにもなっている。

田野屋紫蘭こと小坂英晃氏(写真左)と田野屋白兎こと小坂千里氏

公務員から塩職人へ
3年の修業生活をスタート

紫蘭氏も白兎氏も前職は埼玉県春日部市の職員だ。2人が塩づくりの世界に飛び込んだのは、ある時テレビで、紫蘭氏が田野屋塩二郎氏を知ったことがきっかけだった。

「公務員時代は農業政策課に配属されていた時期もあって、生産者の生の声を聞く機会が多くありました。皆さん、誇りをもっていいものを作ろうと毎日努力され、技術や産地を絶やさないように課題に取り組みながら前向きに仕事をされていた。いずれは自分もそういう仕事がしたいと思っていました」

テレビを観て「ピンときた」紫蘭氏はすぐに塩二郎氏に電話し、連休を利用して車に布団を詰め込み高知へと向かった。「当時付き合っていた妻には『塩を見に行く』と言い残して出発。埼玉に帰ったら、塩職人になると宣言しました」と紫蘭氏が話すと、白兎氏は「塩づくりは1年365日、1~2時間に1回かき混ぜる必要があり、付きっきりで世話をしないといけないから1人では無理。塩二郎師匠も、修業は2人1組じゃないと受け入れない方針。それならば一緒に行くしかないね、となりました」と笑顔を見せる。

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