みちのりG 持続可能な地域交通システムを探求、移動を活性化

様々なテクノロジーを導入し、利用者の需要を活性化し交通事業者の生産性を上げる。地域交通サービスの維持に貢献しているのがみちのりホールディングスだ。日常の足を持続可能にするための先進的な取組から、日本が目指すべきMaaSの未来を探る。

松本 順(みちのりホールディングス 代表取締役グループCEO)

各地の交通機関を改革
グループとしてとりくむ

みちのりホールディングス(みちのりHD)は、2009年の設立以来、赤字に陥っている地方の公共交通事業会社に出資・支援し、改革を実施。地域の足である公共交通機関、特に路線バスの存続に貢献してきた。

同社代表取締役グループCEOの松本順氏は産業再生機構において、バス事業を主体に展開する熊本県の九州産業交通の再建を手がけたのち、みちのりHDの代表取締役に就任。現在は、岩手県北バス、福島交通、会津バス、関東自動車、茨城交通、湘南モノレール、佐渡汽船、みちのりトラベルジャパンなどをグループ会社とし、各地で交通インフラの改革を進めている。

自家用車による移動がメインのまちにおいても、運転免許を持たない生徒・学生や免許を返納した高齢者の移動の足の確保は重要で、バスが重宝されてきた。しかし、利用者の減少から便数の削減、利便性の悪化ののちに利用者のさらなる減少という悪循環に陥り、利益が出せない、存続が危ういといった路線は多い。自治体がコミュニティバスを走らせるなどの取組もあるが、収支の悪化に加えて運転手の確保も難題となっている。

このような地域で、公共交通が機能し、移動手段が存在し続けるためには、生産性の向上が不可欠だと松本氏は話す。それが、運転手を含めたバス会社従業員の給与アップをもたらし、意欲を持って働く環境を創出し、バス会社、ひいては地域の公共交通の維持につながるからだ。「みちのりHD設立以来、それを強く意識して取り組んできました」と松本氏は言葉に力を込めた。

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