OMOI 地方で働き暮らす豊かさを食と文化で創出

「地方で豊かに」を掲げ、あえて日本で最も人口が少ない鳥取県で創業したOMOI。各地域に根差したローカルブランドを1年1ブランドのペースで生み出し続ける先には、それらを一カ所に集めた「村づくり」をも思い描く。スローガンだけで終わらせない真の地方創生に挑む、同社代表の川村氏の思いに迫った。

川村 諒志(OMOI 代表取締役)

1年に1ブランドを
生み出し続ける理由

OMOIは2020年5月、鳥取砂丘前にプリン店「Totto PURIN」をオープンして以来、「1年に1つのローカルブランドを新たに生み出す」との言葉通り、名水で知られる大山町の氷を使用したかき氷店「さんかく氷」、大山町の牛乳を使った生チョコレート専門店「さんかくショコラ」、三朝温泉街のヨーグルトの専門店「三朝ヨーグルト」、鳥取県のきれいな空気や水を利用したエステサロン「The SLIM LIKE」などのブランドを送り出してきた。一つのブランドを横展開するのではなく、新たなコンテンツを次々に生み出す狙いについて、代表の川村氏は「それぞれの地域に根差したブランドを生み出すことでその地域に注目が集まるし、鳥取に住んでいる人たちに自分たちも地域でブランドを作っていかなければという空気感を醸成したいから」と語る。

鳥取砂丘前に並ぶ「Totto PURIN」と「さんかく氷」

川村氏には新しいブランドを立ち上げる際の判断基準がある。それは「当該分野で日本のトップ3に入れるかどうか」だ。プリンは世に数あれど、砂丘の砂をイメージして作った粉末カラメルをかけて食べるプリンはオンリーワンだ。ヨーグルトも定番商品だが、温泉街で湯上がりにヨーグルトを提案する事例は他になく、世界有数のラドン含有量を誇り湯治地としても知られる三朝温泉の魅力と相まって独自の世界観を作り上げている。このように、地域に根差した際立ったストーリーを持たせることで唯一無二性を打ち出し、話題性と集客につなげている。

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