BULL デブリ化防止技術で宇宙産業への貢献目指す

地球周回軌道に存在する宇宙デブリ。言うなれば人類が宇宙に放出したゴミだが、宇宙開発と共にその数は爆発的に増加し、世界的な課題になっている。株式会社BULLは宇宙デブリを発生させない装置を開発、実用化に向けて取り組む。目指すは宇宙産業の基盤となる、宇宙環境の維持だ。

宇藤 恭士(株式会社BULL 代表取締役)

ゴミとなって何十年も何百年も漂う
人工衛星やロケットの一部

今後の成長が期待される産業分野の1つが宇宙産業だ。2024年6月13日閣議決定の「宇宙基本計画」では2020 年に4兆円の市場規模を、2030 年早期に8兆円まで拡大するという目標を打ち立てている。2025年度予算概算要求額は5013億円だが、2024年度は当初予算4030億円に補正予算が加算されて計8945億円となり、2025年度も増額の可能性がある。米国などは文字通り桁違いの予算を割いているが、我が国にとっても今後の社会・経済活動を支える分野であり、安全保障の観点からも重要なテーマであることは間違いない。

世界的な宇宙開発の加速は様々な問題も生み出す。その1つが宇宙デブリだ。もともとは人類の宇宙探索に必要なモノの一部だったが、役割を終えた人工衛星や打ち上げに使用したロケットの残骸、それらが衝突して生じた欠片などがゴミとなって宇宙に残る。軌道から外れて大気圏に入れば燃え尽きるが、自然に還ることのない人工物は秒速7000m以上という地球上でのピストルの約10倍という速度で存在し続け、新たな衝突事故を引き起こしかねない。宇宙デブリの数はすでに1.3億を超え、今後も加速度的に増えることは確実であることから、各国はガイドライン策定に乗り出し、そう遠くない時期の制度化が見込まれている。

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