名古屋大学発ベンチャー企業 次世代技術でがん検診を民主化

がんは日本人の2人に1人が罹患する病気で、長らく死因の1位でありながら、日本におけるがん検診の受診率は諸外国に比べて低い。この状況を劇的に改善する可能性のある次世代技術が、尿検査によるがん検診だ。名古屋大学発のベンチャー企業・Craifが、2022年2月からサービスを開始する。

小野瀨 隆一(Craif株式会社 代表取締役〔CEO〕)

国立がん研究センターの統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性が65.0%、女性が50.2%(2018年)で、2人に1人以上の割合でがんに罹患する。そして、日本人ががんで死亡する確率(2019年)は男性が26.7%、女性が17.8%。2019年にがんで死亡した人は37万6425人で、日本人の死因の第1位、全死亡者に占める割合は 27.3%にのぼる。

国民病とも称されるがんの重要な対策の1つは、早期発見だ。がんには複数の種類があるが、リンパ節に転移がないステージ1の場合、生存率が大幅に高まる。早期発見に有効なのはがん検診だが、従来の検診はがんの種類によって異なる検査を受ける必要がある上、費用・時間・手間がかかるため、検診の受診率は諸外国に比べて低かった。この課題を解決しようと、より簡便な血液検査でがんの早期発見を目指す研究開発が、アメリカを中心に活発化している。その中で、さらに受診者のストレスが少ない尿検査によるがんの早期発見を目指しているのが、名古屋大学発のベンチャー企業、Craif(クライフ)だ。

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