黒川温泉観光旅館協同組合 地域資源の活用で持続可能な温泉地を実現

宿泊客は年間30万人、日帰りを含めれば年間100万人が訪れるという熊本の黒川温泉郷。全国屈指の人気を誇る一方で、次の世代へつなげる持続可能なあり方を模索している。その中心的な役割を担い、新たな取り組みを仕掛け続けている黒川温泉観光旅館協同組合事務局長の北山元氏に話を聞いた。

北山 元(黒川温泉観光旅館協同組合 事務局長、
株式会社RETEN 取締役)

「黒川温泉一旅館」を
コンセプトに地域を活性化

江戸時代中期には湯治の場として知られていたという黒川温泉郷。1961年に6軒の旅館により黒川温泉観光旅館協同組合が設立されことで、本格的に温泉地として名を挙げ始めた。だが、客足が伸びない状況が長く続く。

そこで1986年に旅館経営者の2代目が中心になり、組合の再編成を実施。全ての露天風呂を利用できる「入湯手形」の実施や、2万本の植樹、個別の看板を廃止した統一共同看板により景観の改善に着手した。その結果、入湯手形が評判となり、宿泊者数は年々増加し、1999年には現在同様に年間約30万人に届くまでの人気温泉地になった。

「1軒で儲かるのではなく、黒川温泉全体を盛り上げるという思いのもと、90年代に30軒の宿と里山の風景全てを1つの旅館と考える『黒川温泉一旅館』のコンセプトが掲げられました。それは今でも継続しています」と話すのは黒川温泉観光旅館協同組合事務局長の北山元氏。出身は島根で、大学時代から熊本と縁をもち、卒業後は阿蘇の観光施設で働いていたという。

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