編集部総論・数字で見る 国内小売業、回復から次への成長に

国内の小売販売額は順調に増加し、コロナ禍からの復活が見えてきた。流通・小売業界には人手不足や物流の問題、業務効率化へのニーズが存在し、課題解決に向けデジタル技術の適用が進む。その現状、成長に向けた挑戦と、小売の課題解決に基づく新規事業のビジネスモデルを紹介する。

 

経済産業省の統計によると、2024年4月までの小売販売額は26カ月連続で増加中。コロナ禍からの回復は順調といえる。一方で、人手不足に起因する様々な課題が流通・小売の現場にはあふれている。これらを解決するため、既存の事業資源の見直し、デジタル技術の活用が進む。

コロナ後、事業環境が改善
将来に向けて積極的に投資

日本の国内の卸売業・小売業の売上を合計した商業全体の売上高は、東日本大震災のあった2011年からコロナ禍直前の2019年まで、おおむね横ばいで推移していた。2020年以降、その傾向に変化が見られている。コロナ後のリベンジ消費に燃料、原材料価格の高騰や円安などの要因が加わり、望むと望まざるとにかかわらず、以前より値段が高くても買う、という消費者が増えているようだ。

図 国内の商業の売上


国内の卸売業、小売業の売上は2020年から増加傾向にある。業種別では、飲食料品、自動車、燃料、医薬品・化粧品小売が伸びている。他方織物・衣服などの小売業は売上が減少している

出典 経済産業省

 

このような環境は、国内の小売事業者にとっては追い風だ。今回の特集は3部から構成している。パート1では、様々な小売業の経営者に、現在の事業の状況と未来構想を聞いた。パート2では、小売業が抱える人手不足や物流の2024年問題、デジタル化の遅れ、山積する在庫などの課題を乗り越えて、さらなる成長を目指すためのしくみづくりの取組をまとめた。パート3では、自社の製品や生産物を販売し、小売への参入を目指す事業者に新しい販路を提供する企業を紹介する。

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