オーケー 他社に先駆けた数々の先進的取組で成長
関東を中心に展開するディスカウントスーパーマーケット、オーケー。その品揃えは低価格というだけではなく、品質も満足いくものばかりだとして消費者に絶大な支持を得ている。2023年10月には銀座に店舗をオープンして世間を驚かせた。その小売戦略について、代表取締役の二宮涼太郎氏が話してくれた。
成長のカギは
「高品質・Everyday Low Price」
ディスカウントスーパーマーケット「オーケー」は関東圏でよく知られた存在だ。1都3県に、2024年6月現在で店舗数は155。もっとも新しい店舗は2024年5月にオープンした松戸常盤平店である。
創業者は日本橋の酒卸問屋・岡永商店の三男として生まれた故・飯田勧氏。1958年に岡永商店の小売部門として始まり、1967年に岡永商店から分離されて設立されたのがオーケーだ。飯田氏は設立以来約50年、社長としてオーケーを率い、2014年に代表権のある会長に就任。2024年4月、惜しまれながらこの世を去った。
「長い歴史のなかで転機となったのが1986年頃。それまでは順調に店舗を増やし高成長していましたが、80年代前半ころに伸び悩んだ時期があり、そこで飯田が一大経営改革をしたのです」と話すのが、飯田氏から代表取締役社長を任された二宮涼太郎氏である。このときの改革における飯田氏の理念や哲学が、今もオーケーの大きな特色となっている。
以前は商品価格を下げる特売で売上を増やす経営方針だったが、それを一切止めて、新たに打ち出したのが「高品質・Everyday Low Price(EDLP)」だ。EDLPは米国に本社を置く世界最大の小売企業ウォルマートが導入した戦略で、特売で価格を下げて集客するのではなく、常に一定の低価格で販売するというもの。今では多くの小売企業がこの戦略を取り入れているが、海外でこれを知り、80年代にいち早く取り入れたのが飯田氏だった。
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