DXを起点とした新事業の発想 時代を先読みして新たな価値を創造

日立造船から社名を変更、新たなスタートを切ったカナデビア。現在ではごみ焼却発電や資源循環などの環境事業が主力となる同社は、デジタル技術の活用にも注力。DXを推進し、IoTやAIを活かした新たな価値創出を目指している。さらに、宇宙空間での資源循環といった未来志向の理想像も描く。

橋爪 宗信(カナデビア 取締役兼常務執行役員 ICT推進本部長)

高度成長期に造船から環境へ参入
新ビジネスに挑戦する風土

カナデビアの前身は1881(明治14)年に、北アイルランド出身のE.H.ハンターが設立した大阪鉄工所で、造船事業から始まった。1936年には日立製作所の傘下に入り、1943年に社名を日立造船に改称したが、1947年に日立グループから独立。1965年には大阪市で国内初のごみ焼却発電所を建設し、エネルギー事業にも参入した。

「造船事業は2002年に分離しており、現在の主力はごみ焼却発電所をはじめとする環境事業です。日立造船という社名は1943年以降、残っていましたが、既に日立グループではなく造船事業もないため、2024年10月には社名をカナデビアに改め、再スタートしました」と、同社取締役兼常務執行役員で、ICT推進本部長の橋爪宗信氏は説明する。橋爪氏は2018年に、長年勤務したNTTデータを退職して日立造船に入社。翌年にはICT推進本部長に就任し、デジタル化を推進する役割を担っている。

「当社には140年以上の長い歴史があり、その強みは、ものづくりとエンジニアリングです。しかし、私の入社以前からIT/デジタルの芽があり、制御システムを開発する部署もありました。今後100年の会社の存続やグローバルな競争を考えた時、デジタル化は間違いなく重要で、その強化に取り組んでいます」。

カナデビアの長期ビジョンでは、2050年に目指す姿として「サステナブルビジョン」を掲げている。そこでは、「7つの成功の柱(マテリアリティ)」としてカーボンニュートラルや資源の完全循環、環境復元力の最大化などを設定した。

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