アイペット損害保険 ペットの防災対策こそ日常の意識が大切

飼い主にとってペットが家族同然の存在となっている今日、被災時においてペットも含めた避難や生活環境の確保をどうするかが避けては通れない課題だ。人と同じく、非常事態に対応するには平時の備えが不可欠。ペット保険の大手、アイペット損害保険にペット防災について話を聞いた。

喜山 かなみ(アイペット損害保険 経営企画部)

環境省は同行避難を推奨

2024年5月に創業20周年を迎えたアイペット損害保険。成長の続くペット保険市場のなかで、同社は業界2位の規模を誇る。「弊社では『ペットと人とが共に健やかに暮らせる社会をつくる』という経営理念のもと、ペット保険そのものにとどまらず、積極的にペット防災の啓発に取り組むことで人とペットの安心・安全に貢献したいと考えています」と語るのは経営企画部の喜山かなみ氏だ。

「環境省は災害時にペットとの同行避難を推奨しています。これは一旦避難しながら、自宅に残してきたペットのために帰宅して被災する人や、ペットを残していけないからと避難を躊躇する人がいるためです。弊社が毎年実施するアンケート調査で、環境省の呼びかけを知っているかを尋ねたところ、7割から8割の方が知らないとの回答でした」

また、安全な場所までペットと逃げる「同行避難」と、同じ場所でペットと避難生活を送る「同伴避難(※注)」の意味の違いに関しては、2023年調査でも2024年調査でも半数以上が正しく答えられたが、「分からない」と答えた人の割合に変化はなかった。喜山氏はこの結果を「もともと関心がない層には依然として浸透していない」と分析する。さらに、最寄りの避難所が同伴避難可能かどうかを知らない人は8割を超えた。アンケート回答者はペット飼育者であることを考慮すると、ペット防災の概念が広く社会に根付くのはこれからといったところだろう。

※注:同伴避難の場合、多くは飼い主とペットが同じ施設内で避難生活が送れるが、同室とは限らない。

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