落合酒造場 マーケットイン戦略で生姜焼酎を海外へ
日本酒は海外で「ジャパニーズサケ」と呼ばれるほどに定着し、ブランディングに成功。焼酎は後塵を拝する状況だが、宮崎市で本格芋焼酎づくりを100年以上続ける落合酒造場も積極的な海外展開に挑戦している。マーケットイン戦略を徹底し、生姜焼酎により流通の糸口をつかんだ経緯を聞いた。

落合 亮平(株式会社落合酒造場 代表取締役)
緑肥栽培による
原料へのこだわり
落合酒造場は1909年に宮崎市田吉で初代・落合利平が創業した。本格芋焼酎の製造に取り組み、現在は同市鏡洲で初代のひ孫である4代目代表取締役社長の落合亮平氏が酒造りの舵を握り、家族経営で事業を続けている。
同社の酒造りの特徴の1つは原料へのこだわりだ。契約農家は緑肥栽培を採用し、「畑にもちこまない、畑からもちださない」の言葉のもと、化学肥料や農薬の使用量を減らし、植物性繊維を豊富に含んだ土壌で芋を育てている。
「契約農家では、芋の収穫後に同じ畑でネグサレ線虫を抑制する燕麦や窒素や栄養分を生成するコブトリ草などの緑肥用の植物を育て、生育状況を見ながら畑全体に行き渡るように常に調整しています。こうすると雑草が生えにくく、繊維質が豊富な土になるため水はけがよくなり、台風などでも早く水が引きやすい畑になるのです。緑肥栽培は手間がかかるので大変なところもあるそうなのですが、芋の品質は良くなると実感します」
もう1つの特徴は、新たな酒づくりにチャレンジする精神だ。従来は黄金千貫を使って酒造りをしていたが、3代目の父のときに登場した新種の紫芋やオレンジ芋を使った新しい芋焼酎や、野菜を原料とした焼酎の開発に早期から取り組み始めた。
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