被害が増える山林火災への備え 地域特性に合わせ、総合的な対策を
国内外で激甚化する山林火災。日本でも、市街地に大きな被害を出すケースが増え始めた。気候変動による乾燥や高齢化による森林管理の不全、消防力不足など複合的な要因がリスクを高める。住民の命と暮らしを守るため、火災予防から避難支援、デジタル技術の活用までを含む総合的な対策が急務だ。

廣井 悠(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)
複合要因で激甚化する山林火災
海外では100人超の犠牲も
2023年8月にハワイ・マウイ島で発生した山火事は、その被害の大きさが日本にも衝撃を与えた。さらに、2024年1月にはロサンゼルスで大規模な山火事が発生し住宅街まで延焼、多くの人が財産を失った。その後、国内では2月に岩手県大船渡市で大規模な山火事が発生、鎮火には40日を要し3370ヘクタールが焼失した。3月には愛媛県今治市などでも山火事から燃え上がった炎で住居や工場などが焼ける被害が出た。
「山林火災の数そのものは増えている傾向にないですが、近年に激甚化が目立つのは確かです。ハワイ・マウイ島の山林火災では100人を超える方が亡くなり、大船渡の火災では非常に広い範囲に延焼しました」と東京大学先端科学技術研究センター教授の廣井悠氏は説明する。
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