グリーン農林水産業を世界へ発信 DXで環境負荷の低い農業を実現

農林水産省は2021年3月、農業DXの方向性や取組を提示する「農業DX構想」を取りまとめた。さらに、今年5月には「みどりの食料システム戦略」を策定し、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目指している。

野上 浩太郎(農林水産大臣)

国内では現在、農業従事者の高齢化や、農業の現場における労働力不足が急速に進んでいる。「将来にわたって食料を安定供給していくためには、新技術の導入で省力化や効率化をはかることが重要です。同時に農業では、消費者から評価される価値を生み出し、提供することも求められています」。農林水産大臣の野上浩太郎氏は、こう語る。

デジタル技術とデータの活用
生産効率の高い農業を実現

このような農業の姿をデジタルの力を活用して実現するため、農林水産省は2021年3月、「農業DX構想~『農業×デジタル』で食と農の未来を切り拓く~」を取りまとめた。構想では農業や食関連産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みの基本的な方向性や、取り組むべきプロジェクトが具体的に示されている。

「今後は多くの関係者がデジタル技術を活用し、データの活用によって生産効率の高い農業を実行しつつ、消費者の需要をデータで捉え、消費者が価値を実感できる形で農産物や食品を提供していくことを期待しています。今後、現場のデジタル変革が進むよう、農水省も関係者との協働や環境整備を進めていきます」。

一方、気候変動問題をはじめとする様々な環境問題への対策が重要課題となる中、農水省は5月に、「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」を策定した。

「戦略では、まず2050年までに農林水産業の二酸化炭素(CO2)ゼロエミッション化を目指すなど、温暖化対策でも非常に意欲的な目標を掲げています。脱炭素に向けての取り組みでは、例えば、施設園芸等における省エネ機器導入や水産業におけるLED集魚灯の導入など、様々な排出削減対策を支援します。また、間伐や再造林等の適切な森林整備による吸収源対策も講じているところです」。

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