異業種から畜産参入 持続可能な「食のSPA」構築を目指す

「食のSPA」を掲げて飲食・精肉販売・食肉生産に取り組むGOODGOOD。異業種からの参入ながら、100年先を見据えて持続可能な地球と食肉文化の両立を構想する。地域や生産者と協働し、生産から消費をつなぐ輪の構築を目指す創業者の半田光正氏、野々宮秀樹氏に聞いた。

GOODGOOD 代表取締役 半田光正氏(左)、野々宮秀樹氏(右)

「食のSPA」構築を目指して異業種から参入

半田氏も野々宮氏も金融など異業種の出身。「肉好き同士、一消費者として畜産業を見てみたい」という気持ちから国内外の生産現場を回るなかで課題とビジネスの可能性を感じ、起業した。

「ICT導入による効率化が進んでいないことはもちろん、トレーサビリティやエシカルへの対応など世界的な潮流と日本の現状がかけ離れていることを知り、このままでは日本の畜産は持続しないという危機感を持ちました」と半田氏はいう。

通常、農業6次化は一次(生産者)側からの事業拡大という文脈がメインだが、異業種からの参入だったこともあり、同社は三次(販売・サービス)から着手。兵庫県西宮市・苦楽園で精肉店併設のレストラン事業および卸売事業を開始した。

同社が掲げるのは「食のSPA(生産小売)」構築だ。現状の食肉業界は生産から流通まで多数の階層を経ている。多くの業者を介するなかで生産者に消費者のニーズや反応が伝わらないことが課題であり、「生産から小売までをつなぐ輪」をつくる必要があると考えたのだ。

「多くの生産者は自分たちが育てた牛を農協に出荷すると、その後消費者とつながる機会がありません。マーケティングなどの重要性に触れる機会も少なく、ビジネスとして工夫できる余地も少ない。輪ができれば、消費者の声を生産者に伝達できるだけでなく、消費者の思いを生産者に届けることもできると考えました」と野々宮氏は話す。

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