「善の巡環」の理念浸透 グローバルな生産性向上と組織開発
ファスニングと建材の2つの事業を柱に、70の国/地域に事業を展開するYKKグループ。90年超の歴史を支えてきた根幹にあるのが、YKK精神「善の巡環」だ。2025年4月に就任した松嶋耕一社長に「善の巡環」を軸とした成長戦略について聞いた。

松嶋 耕一(YKK株式会社代表取締役社長)
YKK株式会社の歴史は、1934年に創業者・吉田忠雄氏が東京・日本橋蛎殻町で前身となる「サンエス商会」を設立し、ファスナーの加工・販売を始めたことにさかのぼる。1955年には富山県黒部市に黒部工場を開設、1959年にはAP(アルミ建材)事業を始めて事業の多角化に乗り出した。また同年、ニュージーランドに海外初の現地法人を設立し、日本企業としては早期に海外展開を果たした。現在は、ファスニングとAP(窓やドア、ビルのファサード)を軸に世界70の国と地域で事業を展開、ファスナーでは世界トップブランドである。

QuickFree® click-TRAK® Magnetic。左右の開具にマグネットが埋め込まれており、マグネットの磁力により開具を近づけるだけで、ファスナーを閉じることができる

POWERHOOK® 1QCLF-E。表面が平滑で肌触りが良く、糸くずが絡みづらいことが特徴な面ファスナー
その原動力となってきたのが、吉田忠雄氏が掲げた「善の巡環」、すなわち「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という企業精神である。このYKK精神に加え、経営理念「更なるCORPORATE VALUEを求めて」を掲げたのが1994年。お客様に喜ばれ、社会に評価され、社員が誇りと喜びを持って働ける会社でありたい。そのための手段として、商品、技術、経営の質を高めていく。実践にあたっては、「公正」を行動指針とし、これを価値基準に経営判断している。
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