海運企業の未来構想 ESGに資する新事業の考え方を実践

日本郵船は中期経営計画で「ESGの経営戦略への統合」を明示し、「NYKグループESGストーリー」を公表。グループ企業全体に、ESGの価値観を浸透させるための取り組みを進めている。その取り組みや人材育成について、代表取締役社長の長澤仁志氏に聞いた。

長澤 仁志(日本郵船 代表取締役社長)

中期経営計画でESGの
経営戦略への統合を明示

――日本郵船は現在、2018~2022年度の中期経営計画の目標を大きく上回る成果を達成されています。この実績をどのように分析されていますか。

私が社長に就任したのは3年前、それ以前は長くエネルギー部門に携わっていました。このため当初は、化石燃料がなければ人々の生活を維持することは難しいと考えており、環境問題とは距離感がありました。しかし、外資系証券会社でESG(環境・社会・ガバナンス)を担当する方のお話を伺う機会があり、企業の存続のためにも早急に対応しなければと感じるようになりました。また、社長就任後に各界トップの方々にお会いすると、皆が「持続可能な開発目標(SDGs)」やESGのお話をされており、それぞれ取組を進めているようでした。

このような中で危機感を覚え、急いで当社グループ全体にESGの価値観を浸透させなければ、と活動を始めました。ESGという今後の人間社会において基盤になる価値観を、社内で共有しなければと感じたのです。そして社内に「ESG経営推進グループ」を設置し、2021年2月には「NYKグループESGストーリー」を発表しました。これは中期経営計画で明示した「ESGの経営戦略への統合」に向けて、当社グループが考えるESG経営と具体的な取り組みを示したものです。

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