海の脱炭素で起こすイノベーション 造船・海運の両輪で競争力強化

日本の造船・海運業など海にかかわる産業の競争力強化を目指し、2021年5月に公布された「海事産業強化法」。海に囲まれた国土の日本において、海事に関する産業は社会を支えるインフラといえる。国土交通省・海事局の今井氏に、法制定の狙いや特徴、海事産業の課題について聞いた。

図 世界の造船市場の拡大


世界経済の発展に伴い、海を越える貨物量は右肩上がりであり、世界の造船市場は中長期的に拡大している。

出典:Clarkson「SHIPPING REVIEW DATABASE」、
国土交通省

 

海運、造船・舶用工業を中心に、船を動かす船員、港、物流、ファイナンスなど関連分野が密接に連携した「海事クラスター」を形成する日本。海事に関するほとんど全ての業種が国内に揃い、多数の優秀な企業が集積する海の産業クラスターを形成する国は、世界にも類がない。

造船と海運の好循環を生み出す

特に、造船業は国内に生産拠点を有し、その部品のほぼ100%を国内メーカーから調達している裾野の広い産業だ。地域の雇用・経済を支える重要な産業であると同時に、貿易の99.6%を海上輸送に頼る日本にとって、経済安全保障を支える基盤産業でもある。日本の造船業は現在、中国、韓国に続く世界第3位のシェアを持つが、コロナ禍の影響や原材料の高騰の影響もあり、引き続き激しい国際競争下にある。

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