次世代に美しく豊かな海を引き継ぐ 海と日本PROJECT
海に関心を持つ人を増やすため、日本財団は2016年に大規模プロジェクトを開始した。開始から約6年を経て、ここから生まれた連携が、個人、団体、地域の活動や、企業の新製品・新規事業に結実。コロナ禍以降は、海に親しむ活動や清掃などのイベントに参加する市民が増えつつある。
人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動を推進する民間の財団法人、日本財団は、2016年に「海と日本PROJECT」を立ち上げた。街中・海岸の清掃だけでなく海洋ごみの調査研究事業から子ども・若者向けの海を体験するプログラム、地域と共に活動する地域の資源を活用したプログラムまで、人々の目を海に向ける様々な活動をこれまでに進めている。同財団常務理事の海野光行氏に、同プロジェクトとその成果や、今後の展望を聞いた。
深刻化する海の環境問題に
関心を持つ人を増やすプロジェクト
四方を海に囲まれている日本において、海は様々な資源の源であり、交通路であり、防壁の役割を果たしてきた。海を重視する国としての一貫した姿勢を明らかにするため、2007年4月、海洋に関する基本理念を定め、国・地方公共団体、企業と国民の責務を明らかにする「海洋基本法」が成立、同年7月20日に施行された。この基本法に基づき、5年ごとに「海洋基本計画」が検討・閣議決定され、日本の海洋政策のベースになっている。現在は2018年からの第3期基本計画期間中だ。また、1996年から7月の「海の日」が休日になり、各地で様々なイベントが開かれている。その反面、人々の海離れは進む。身近なレジャーだった砂浜での海水浴も、1985年からの30年間で客数は8割減となった。
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