光と影は表裏一体 それでも打たれれば打たれるほど人生は光輝く

イギリスを代表する帽子デザイナー、原田美砂。英国王室をはじめ、世界のセレブリティらに愛され、自身の名を冠したブランド『misaharada』はイギリスの主要百貨店やセレクトショップのみならず、約15か国100店舗ほどで展開され、世界中の帽子ファンたちを魅了している。高校を卒業後、寄る辺ないイギリスに飛び立った原田は、自らの道をどのように切り拓いたのか。

文・油井なおみ

 

原田 美砂(帽子デザイナー)

息の詰まる日本での生活から
情熱を胸に憧れのロンドンへ

「出過ぎた杭」。

日本で過ごした10代までの自分を原田美砂はそう振り返る。

「もともと、すごく独立心の強い子だったと思います。5歳の頃に両親が離婚して父子家庭で育ったということもあるかもしれませんが、いつか外国に出て一旗揚げるという夢を物心つく頃には持っていました」

小学校では児童会の会長を務め、リーダーシップを発揮。だが、中学になると「出過ぎた杭」は異端児扱いされ、次第に居場所を見失っていく。

「何をしたというわけではなく、ただ女の子が先生の質問にパッと答えるのもNGというような、所謂、昭和の男尊女卑的な社会で育ったんです」

学校をよくしようと自分の意見を出すのはもっての外。原田がありのままの自分でいようとするだけで奇異の目に晒され、いじめられてしまう。

「これが男の子だったらそこまではされないわけで。正しいことをしているはずのになぜ、と悔しさだけが残りました。ただ、その満たされない思いがのちに、海外へひとりで行くという勇気に繋がったんだと思います」

海外への憧れはあったものの、具体的なことはまだ考えていなかった。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り86%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。