開発途上国の農業と気候変動 フェアトレードを財源に対策
開発途上国の産品を公正な価格で取引しようという国際的な取組、フェアトレード。途上国の農家の貧困撲滅を目的にした運動だが、近年は環境保全や気候変動対策の面からも注目されている。
先進国の買い手と、より弱い立場にある開発途上国の生産者が、公平な条件で国際貿易を行うことを目指すフェアトレード。国際貿易の慣行を変えるとともに、生産者の支援、啓発活動なども実施し、持続可能な発展に貢献するものとして注目されている。日本国内でのフェアトレードの普及・啓発活動を行う認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンによると、2023年、国内フェアトレード市場規模は初めて200億円を突破した。
図 フェアトレード認証製品推計市場規模と国民1人当たりの年間購入額の推移
企業経営における人権尊重
ガイドラインで政府が求める
同団体では、市場拡大の背景に、日本政府・産業界において、サプライチェーン上の人権への配慮が求められるようになったことがあると分析している。日本政府は2022年9月に人権尊重に関するガイドラインを発行し、2023年4月には公共事業・調達に参加する企業へ人権配慮を求める方針を発表。食品分野では、2023年12月に農林水産省が「食品企業向け人権尊重の取組のための手引き」を公表している。サプライチェーンが国境を越えて長く伸び、生産・製造・流通・小売まで広く関係する食品産業では、人権尊重の取組がとりわけ重要になることから、政府ガイドラインで示された内容について、食品産業(主に食品製造業)において実際に取り組めるように、同「手引き」が作成された。
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