挑戦を繰り返し、喜びも悲しみも経験した先に豊かな人生がある
数ある恋愛リアリティ番組の中でも、代表格といえる『バチェラー・ジャパン』。この第1シーズンから司会を務め、視聴者からの支持も厚い坂東工。ハリウッドでも活躍した華やかな経歴や、その上品な立ち振る舞いと柔らかな物腰からは想像もできないが、彼の半生は映画さながらに波乱に満ちていた。
文・油井なおみ
早すぎるひとり暮らしと
恋人との別れ
「生き方のハウツー本を書いて欲しいとオファーをいただいたこともあります。でも人生にハウツーなんてないですよ。自分で探しなさいと(笑)」
冗談を交えながら、終始、穏やかな笑顔で語るが、坂東工が歩んできた道のりは決して平坦ではない。
「小学4年生のときに一家離散。親父のDVから夜逃げしたんです。大学生の兄貴は一人暮らし。姉貴はボストンに留学中。母親は大阪へ。僕は東京でひとり暮らしになりました」
母が東京に帰ってくるのは月1回。不在の間は、銀行に振り込まれる3万円を頼りにひとりで暮らす。
「学校の給食とコンビニで大きくなりました(笑)。寂しいとか人の家が羨ましいとか思う感覚はなかったですね。それより、自分はみんなとちょっと違うという特別感の方が強かったかな。だって、3万円も持っている小学生なんていないじゃないですか(笑)。ただ、プライベートを聞かれるのはいやでした。どこか本心を隠すために特別感を出していたのかもしれない。虚勢を張ってたんですね、きっと」
そんな坂東に多大な影響を与えたのが中学で出会った親友の父親だった。
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