「広場の発想」でデジタルと社会を結ぶ デジタル庁の構想と戦略

デジタル庁が目指すものは何か、デジタル庁の発足は民間ビジネスにどのような影響を与えるのか。内閣官房IT総合戦略室審議官で、9月にデジタル庁に移行予定の村上敬亮氏に聞いた。(取材日:8月11日)

村上 敬亮 内閣官房IT総合戦略室審議官

システムを業務現場に「お返し」

デジタル庁の業務は多岐にわたるが、その中でも重要なのが、官民がDXを進める上での共通基盤となる「ガバメントクラウド」と「ガバメントネットワーク」の整備・運用だ。ガバメントクラウドは、共通的な基盤・機能を提供するクラウドサービスの利用環境であり、2021年度に運用が始まる。ガバメントネットワークは各府省庁のネットワークを統合するものだ。

この取り組みを村上氏は「システムを業務現場にお返しする運動」と表現する。「これまではネットワーク、クラウド、アプリケーションを各省庁がバラバラに発注し、大きなコストと納期が発生していました。しかし、本当に現場が欲しいものは機能=アプリだけです。ですから、ネットワークとクラウドはなるべく共通化し、それぞれの省庁で必要なアプリを載せていく。DXで言うところのいわゆるレイヤー構造化を行っていきます」

これにより、年間7000億円を超える政府の情報システム関係予算の削減が見込まれるが、狙いはコスト削減だけではない。「それ以上に大事なことは、現場の要求に対してシステムを迅速に開発・改修できるようにすること。現在のネットワーク、クラウド、アプリの垂直統合的設計では、システムの開発・改修は簡単ではありません。刻々と変化する業務に対応するために、柔軟性の高いシステムを作り、業務に使うシステムの開発設計作業のイニシアチブを現場にお返しするというチャレンジなのです」

同様に地方公共団体でも、基幹業務システムの統一・標準化とガバメントクラウドの活用を進めていく。「行政がレイヤー構造化やDXを実現できれば、民間も『うちでもできる』と自信を持てるはず。そんな波及効果も期待しています」

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