三井住友カード 進化する法人カードが経費精算を変える
2025年4月に旅費法が改正されたことで、法人カードの存在感は増加している。三井住友カード株式会社ビジネスマーケティング事業開発部の的場遼平氏は「経費精算もキャッシュレスに 組織内に浸透する法人カードの進化」をテーマにウェビナーを行い、法人カードの導入によるメリットを示した。

三井住友カード株式会社BM事業開発部の的場遼平氏
旅費法の改正により
法人カードが欠かせない状況に
現在は各法律の改正や急加速するDX化の推進により、経費精算のあり方に変化が表れている。
「文科省のガイドライン改正に伴い、ガバナンスの観点で法人カード利用が推奨されました。今年4月には旅費法改正に伴い、旅行役務提供契約をクレジットカード会社が結ぶことができると規定されています。これにより国家公務員の旅費の精算手続きにクレジットカードがご利用いただけるようになりました。経費精算には法人カードが欠かせない状況になってきています」と、的場氏は現状を説明する。
実際に法人カードの発行枚数は増加している。日本クレジット協会調査資料データによれば、発行枚数は2014年(639万枚)と比べて2023年(約1201万枚)は約2倍だ。導入理由は、社員の立て替え負担が大きいから削減したい、経理事務を効率化したい、お金の流れを透明化したい、公私のクレジットカード使用を分離したいなど、さまざまなニーズがあるという。
「ガバナンス対策、強化というところにもご要望を強くいただいています。実際に経費の不正を見つけたことがあるかという調査では、67%が見つけたことがあるという回答でした。その実態を見ると、実際には行っていない出張、架空の経費計上、私的な利用など多岐に渡ります。ガバナンス強化は多くのお客様にとって注力すべきポイントであり、そのような背景のもと法人カードの導入が増えている状況です」
法人カードを導入することでこれらの課題をどのように解決するのか、ウェビナーでは導入前後のフローの図をもとに的場氏は解説した。
導入前は現金や個人カードにより従業員の立て替えによる負担が発生する。だが、導入後は立て替え払いが不要になり、従業員の負担を軽減することができる。また、領収書に基づいて手入力をしていた項目は、法人カードの利用データを経費精算システムに自動反映させることが可能のため、その作業自体が削減される。
「これにより効率化にもつながり、合わせて改ざんができないデータとして連携されます。さらに、管理者の皆様がカード利用データを定期的にチェックできる環境なので、ガバナンスの強化につながります」
導入に関する課題と
解決する4つのソリューション
法人カードの導入は年々増加し、スタンダードになっている一方で、一定の課題を抱える顧客も少なくないという。的場氏はその代表的な3点のポイントを紹介した。
1点目は、法人カード管理の手間だ。カード使用者の追加や、移動に伴う各種変更手続きなど、カード固有の業務が増加することがある。2点目は、カード使用者の不適切な利用で、申請外の利用、部署内で使い回してしまい誰が利用したかわからないなど、不適切な利用が発生するリスクがある。3点目は、柔軟な支払い期限と予算管理だ。カード会社との精算サイクルが選択できないため、カード精算タイミングが合わないなど、予算の管理が柔軟にできない点が挙げられた。
これらの課題を解決するために三井住友カードは具体的に4つのソリューションを提供している。
4つのソリューションにより法人カード導入の課題解決を図る。さらにコンカーとの連携を行い、経費データの高度化を着実に進めている
まずは、法人カードに関する各種手続きをデジタル完結することができる「法人カード管理者Web」がある。使用者の追加や限度枠の変更、カード利用の明細確認をWebで完結できるため、法人カードに関わる手続き業務を大幅に効率化することが可能になる。また、柔軟な精算サイクルも実現し、15日締めと末締めから選択することが可能のため、「管理しやすい」と好評の声が多いという。あわせて振込と口座振替も選択することができる。
「弊社独自のマンスリークリアという機能もあります。カード利用枠の管理体系で、締め日の翌日にカード利用枠がクリアされるところが特徴です。通常、他社様の場合は、利用金額の引き落とし日までカード利用枠はクリアされませんが、弊社の法人カードは、締め日の翌日に利用枠がクリアされます。そのため、締め日から引き落とし日までの間の利用状況を気にすることなく、利用枠の管理が容易になります。また、不必要に限度額を高く設定する必要がなくなるため、万が一、不正利用が起こってしまったときの被害額を抑えるなど、リスクを軽減するといったことも可能です」
最後に、法人カードの利用をコントロールできる機能「パーチェスプラス」を紹介した。これは24時間365日、顧客が自由に利用制御を施したカード番号を発番できる仕組みだ。一度しか使えないカード番号を発行することも可能のため、安心感をもってカード番号を提供することが可能になるという。
コンカーと業務提携
三井住友カードは2020年度にコンカーと戦略的業務提携を行い、経費の透明化や出張時の手間を削減することを目的として、経費データの高度化に注力している。経費支払いに三井住友カードを利用すると、コンカーが提供するクラウド経費精算システム「Concur Expense」に付加情報が自動連係されるという流れだ。
これまでにETCインターチェンジ利用やタクシーチケット発着地など、段階を経て実現を進めており、現在は第5弾として国内公共交通機関においてVISAタッチ決済で得られる情報データの連携システム開発を進めている段階にある。今後に向けて的場氏は「経費精算システム上に利用データが可視化されることで経費の不正利用防止に直結すると考えておりますので、今後も経費データの高度化には注力をしていく予定です」と話をまとめた。
お問い合わせ先
三井住友カード株式会社
BM事業開発部
メール:matobary@smbc-card.com
URL:https://www.smbc-card.com/camp/hojinkeihiseisan
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