大手IT事業者以外にも参入チャンス 地域型情報銀行の可能性

デジタル庁の発足を契機に、社会におけるデータ流通の本格化が期待されている。注目の事業のひとつが生活者の同意のもとパーソナルデータを預託・流通させる情報銀行だ。一握りの大手IT事業者だけでなく、地域密着型の事業者にも参入チャンスがありそうだ。

中部電力の情報銀行サービス「MINLY」

情報銀行は、生活者個人の同意のもとでパーソナルデータを預かり、データの流通・活用などの管理運用をする事業だ。これまで、生活者のパーソナルデータは企業ごとに囲い込まれ、分散管理されていた。生活者はデータの把握・管理が難しく、企業側にとっても、限られたデータ量からの分析や商品・サービス開発には限界があった。情報銀行の仕組みならば、企業は多くのデータを使った正確な顧客分析が可能になり、生活者も様々な便益やよりよいサービスを享受できるようになると考えられる。。

情報銀行は世界的に注目を集めているが、日本では2016年の「官民データ活用推進基本法」以降、政府や民間での議論やルールづくりが本格化してきた。政府が6月にまとめた「包括的データ戦略」でも、データ取引市場と情報銀行・PDS(Personal DataStore)の活用が重点項目として挙げられ、「地方公共団体等とのデータ連携や、データの移転・利用を促進するためのデータポータビリティの実現に向けた実証・検討を行う」(同6月、デジタル社会の実現に向けた重点計画)とされた。デジタル庁の発足に伴い、情報銀行への企業の関心や参入はさらに拡大していくだろう。

日本最大級のIT団体の連合体である日本IT団体連盟は、2018年12月から情報銀行の認定制度を運用している。これまで7社が認定されているが、顔ぶれを見ると、三井住友信託銀行やイオングループのフェリカポケットマーケティング、みずほ銀行とソフトバンクが設立したJ.Scoreなど、全国にサービス網を持つ大手企業系が多い。

その中で異色を放つ情報銀行事業者が、中部電力だ。同社は2020年から地域型情報銀行サービス「MINLY(マインリー)」の実証事業を、愛知県豊田市で実施している。

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