不動産を一意に特定する環境整備 不動産IDの現状と、導入後の未来

現在、国内の不動産に対する明確な特定IDは存在しない。住所は表記のゆれや、1つの住所に対して複数の建物が存在するなどの課題がある。国土交通省はその課題に対して新たに「不動産ID」を整備し、全ての不動産を特定するとともに、データ連携による不動産DXを進めようとしている。

不動産を一意に特定できない現在
明確なIDで解決へ

国土交通省は「不動産ID」の導入に向けて取り組みを進めている。不動産IDは、1つの不動産に対して1つのIDを付与する制度だ。これにより国内全ての不動産を特定する環境を整え、不動産IDを連携キーとした不動産DXの実現を目指している。

不動産の特定と言えば住所を思い浮かべるが、それでは特定できない現状があると、同省の不動産・建設経済局不動産市場整備課は説明する。

「住所は『霞が関』や『霞ヶ関』など漢字やカタカナなど表記のゆれがあり、京都の通り名のような通称住所も存在します。また、1つの住所に対しても複数の建物が存在している割合が全国で約20%を占めると推計しており、さらに建物は住所で表しますが土地は地番で表すなどの事情もあり、現状では不動産の特定ができない状況があります」

図 登記を活用した不動産IDの課題


登記情報から「地番1-1」を所在に持つ登記を抽出する際に、建物①と建物②の2つの登記が抽出され、どちらの登記が建物①のものか特定が出来ない

出典:国土交通省

 

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