技術高度化、自治体・動脈連携で静脈産業の未来を目指す2社
循環型社会の実現に向けて、静脈産業(廃棄物処理)では技術革新や動脈産業(製造)との協働、自治体との連携などが急速に進む。処理の高度化、再資源化などについて、静脈産業は今どのような戦略を練るのか。大手2社の取り組みを見る。
製品を製造・供給する「動脈産業」に対し、廃棄された製品を回収し、処理・再生する「静脈産業」は、体内をめぐる血液のように資源が循環して有効活用される「循環型社会」を実現する上で重要な役割を担う。中小企業が多く、市場が細分化された静脈産業界では、M&Aによる統合と規模拡大、効率化が進んでいるが、代表格の2社、TREホールディングスと大栄環境は、今後に向けてどのような戦略を立てているのだろうか。
TREホールディングスは、1904年創業の「リバー」(旧・鈴徳、スズトクなど)と、1967年創業の「タケエイ」(旧・武栄建設興業)の2社を中心にM&Aを繰り返して成長、2021年に経営統合した。現在、建設系などの廃棄物処理と再資源化、車や家電などの金属系資源リサイクルの他、木質バイオマス発電や電力小売といった再エネ事業、環境プラント設計やコンサルティングなどの事業も展開、連結子会社36、関連会社6社を数える。
TREが掲げる長期ビジョンは「WX環境企業」への挑戦。WXはWaste Transformationを意味し、廃棄物処理技術の進化と動脈・静脈の共創による高度な循環型社会・脱炭素社会実現に向けて、2040年に売上高3000億円のWX企業となることを目指している。その足固めとして、2021年から2030年に至る第1次・第2次中期経営計画ではグループのシナジーを拡充し、再資源化・リサイクル事業の深化や再エネ事業推進、新分野・新事業開拓を進める。新事業として、例えば福島県相馬市における「相馬サーキュラーパーク」構想では、産官学連携によるエネルギー・産業資源地産地消のモデル構築を目標に、第2次中計で個別事業具体化、一部操業開始を目指している。
一方、大栄環境は1979年、大阪府和泉市で創業、関西で次々とリサイクルセンターを開設するなど、廃棄物処理・資源循環をコア事業として成長し、2005年からはコンサルティング事業、翌年からは土壌浄化事業、2016年からは森林保全、アルミペレット事業、さらに2020年にはリサイクルプラスチックパレット事業も開始するなど、精力的に事業規模を拡大してきた。現在、48の連結子会社、12の関連会社等を抱え、女子プロサッカーチーム「INAC神戸レオネッサ」のメインスポンサーを務めるなどスポーツ振興にも取り組む。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り72%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。