ハードオフコーポレーション 日本式リユースで循環型社会の実現に貢献

新潟県で50年の歴史を持つハードオフコーポレーション。時代に先駆けリユース事業を手掛け、業界のリーディングカンパニーとして全国に900店舗以上、海外13店舗を展開する。「もったいない」に始まる日本独自の文化を軸に、「地に足のついた成長を目指す」と語る社長の山本氏に、同社の成長戦略を聞いた。

山本 太郎(株式会社ハードオフコーポレーション 代表取締役社長)

バブルの崩壊を機に
新品販売からリユース事業へ転換

ハードオフコーポレーションは1972年、新潟県新発田市で新品オーディオ販売店「サウンド北越」として事業をスタート。しかし、バブルが崩壊した1990年代前半に売上が半分に落ち込み、新品販売からリユース事業へと舵を切った。

「新品オーディオ販売店の時に、年に数回、お客様から下取りしたものを販売していましたが、これが意外とよく売れました。それがヒントとなり、リユースへ事業転換しました。格好良くビジネスプランを考えてというより、生きるか死ぬかの中で生まれた事業でした」と社長の山本太郎氏は語る。

ハードオフ1号店が新潟市に誕生したのは1993年。全国で事業不振に苦しむ電気屋やオーディオショップから「ハードオフのモデルを自分たちもやりたい」という相談が相次ぎ、94年からフランチャイズビジネスを開始した。以降、事業拡大を続け、現在全国に36の加盟法人を持ち、国内47都道府県に917店舗、海外ではアメリカ本土、ハワイ、台湾、カンボジア、タイに13店舗、グループ合計930店舗を展開する。

フランチャイズではあるが、店長や地域によって店舗ごとに品揃えもスタッフも個性豊かなのがハードオフグループの魅力だ。ハードオフ、オフハウス、ホビーオフ、ガレージオフ、モードオフ、リカーオフ、6のリユース店舗ブランドを持ち、顧客ニーズに幅広く応えながら、宝探しのようなワクワク感を提供し、ファンを増やし続けている。

同社がハードオフ1号店のオープン時から貫いているのが、理念経営だ。

「①社会のためになるか、②お客様のためになるか、③社員・スタッフのためになるか、④会 社のためになるか。この4条件を全て満たし、かつ4つの優先順位があっているか。当社は損得より、まずは理念に沿うかを重視します。経営で迷った時には常にここに立ち返り、自問自答しながら決断してきました。現在、アルバイトも含め約1万人が国内外で働いていますが、全社員・スタッフへ理念教育を徹底しています」

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