せきね農園 9代目農家が挑戦する国産アボカドの栽培
せきね農園9代目の関根邦仁氏は2015年より、国内では珍しい国産アボカド栽培に挑戦。冬の寒さを活かした寒暖差による栽培で油分の多い味わいのあるアボカドを生み出し、現在40種類もの品種のアボカドを生産している。新潟からアボカドの多様な魅力を発信しようとしている関根氏の挑戦に迫った。
31歳で就農し、アボカド栽培に挑戦
新潟市南区しろねは米以外に古くから桃や梨、ぶどうや洋梨などの果樹産地として知られてきた。関根邦仁氏の実家であるせきね農園も江戸時代から続く農家で、先代から米や桃、ひらたけを生産してきた。9代目の関根氏は、中学時代からバンドに興味を持ち始め、大学中退後には本格的に活動、ビジュアル系バンドOZ(オズ)のボーカルとして8年半活動を続けた後、「バンドを解散したら農家を継いでほしい」という父との約束を守り、2013年に就農した。31歳のことだった。
「当時は右も左もわからない状態でしたが、周りの同世代の農業者がすでに自分より10年以上の時間をかけて、熱心に勉強しながら農業に取り組んできた姿を見て、このままではいけないと危機感を持ちました。そこで芽生えたのが、『同じ道を行くよりも、自分なりの農業で、誰も作っていない果樹を栽培しよう』という想いでした」と関根氏は語る。関根氏はまず、日本に輸入されている果物のランキングを調べた。「需要はあるが、日本で栽培されていない果樹」にチャンスがあるのではと考えたからだ。当時ランキングの6位にあったアボカドに目を付けた。
「世界には数千種類のアボカドがありますが、日本に輸入されているアボカドは、ほぼハスという1品種のみです。なぜなら、皮が厚くて運搬に強く、熟すと黒色になるので消費者にも食べ頃がわかりやすく、農家にとっても育てやすいからです。しかし、日本で様々な品種を育てることができれば、色や形、皮の厚さや油分量、味、食感などの違いを楽しむことができるだけでなく、収穫時期の違いを利用して長く販売できるのではと考えました」
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