雪国まいたけ 部門横断で、市場拡大と新ビジネスに挑む

雪国まいたけは、まいたけの量産に世界で初めて成功し、国内シェア約5割を占めるニッチトップ企業だ。2015年6月に東証2部上場廃止となったが、サイロ化した組織を再構築し、わずか5年余で東証一部(現在はプライム)に返り咲いた。同社の事業変革と成長戦略を、社長の湯澤氏に聞いた。

湯澤 尚史(株式会社雪国まいたけ 代表取締役社長)

まいたけ生産に成功した
創業者頼みの体制から脱却

雪国まいたけの会社設立は、1983年。創業者の大平喜信氏が、当時生産していたモヤシが価格競争にさらされることに危機感をおぼえ、当時は「幻のきのこ」と称されるほど希少だったまいたけの人工栽培を試みたことに端を発する。研究開発により生産技術を確立すると、工場での大規模生産で事業を拡大し、94年に新潟証券取引所に上場を果たした。

その後、ぶなしめじやエリンギなど、まいたけ以外のきのこの生産にも乗り出して多角化を進めていくが、ホクト(長野県)などライバル企業が現れたことで市場競争が激しくなり、業績不振に。さらに、創業者に集中した経営体制によりほころびが生じ始める。

「組織のサイロ化やガバナンスの不安定さなどが露呈するようになり、2015年に上場廃止となりました。再上場を果たすまでに行った全社一丸となった経営再建への取り組みが、今の当社の業績やブランド力につながるターニングポイントだったと思います」と、2022年4月に代表取締役社長に就任した湯澤尚史氏は語る。

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