アイセック 「新潟モデル」を確立し、健康寿命日本一に

新潟大学医学部内科発ベンチャーのアイセックは、健診結果や病院受診記録などの健康医療データを分析し、医学的見地による解説を加えて提言することで、研究成果を人々の健康につなげることを目指している。代表取締役CEOの木村大地氏に、事業立ち上げの経緯や今後の事業構想を聞いた。

木村 大地(株式会社アイセック 代表取締役CEO)

糖尿病の権威との出会いを機に
新潟大発ベンチャーを設立

「新潟県の健康寿命日本一」を目標に掲げるアイセックは、2019年に新潟大学医学部内科で設立された、新潟大学公認ベンチャーの第1号企業だ。健康医療ビッグデータと医学的な知見を融合し、社会課題を解決する「新潟モデル」を確立することで、健康寿命を延ばす社会づくりを目指している。

図表 新潟県民の平均寿命と健康寿命の差


男性は平均寿命80.89歳・健康寿命72.45歳で、差は8.44年。女性は平均寿命87.38歳・健康寿命75.44歳で、差は11.94年(ともに平成28年)。アイセックは健康寿命を延伸し、この差を埋めることを目指している

出典:厚生労働省

 

アイセック代表の木村大地氏は新潟市出身。15歳の時に剣道の恩師をがんで亡くした体験がきっかけとなり、大学卒業後は県内健診機関に就職した。

「転機になったのはメタボ健診が始まった2008年です。制度移行により健康診断データが規格統一されましたが、私は厚生労働省が提供する特定健診保健指導ソフトを開発する企業のマネジメントに携わりました。日本医師会や健保連、国保中央会などの主要団体とのつながりができたのもその時です」

同時にそれらに横串を通し連動させる仕組みが必要だと考え、2011年6月、オンライン診療ベンチャーのリンケージを東京で設立し、大手企業従業員の健康支援コンサルティングを主事業としてスタートした。その後、海外駐在員のメンタルヘルス課題をオンライン診療で解決するモデルや、オンラインでメタボ指導や禁煙外来の開発などを手掛け、医師法の規制緩和を実現した。

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