防衛省 宇宙作戦群 宇宙領域把握で人工衛星を守る

宇宙を経由する情報のやり取りが生活のインフラを支えている現代。他国の人工衛星を妨害する技術開発が世界で進む中、防衛省は宇宙領域の安全確保に本腰を入れ始めた。組織を再編して宇宙の防衛力を強化するとともに、データの拡充・新技術開発に向け、JAXAや民間企業との連携も加速させている。

 

人間が月面に初めて着陸してから60年近くが経過し、宇宙空間は国威発揚のイベントの場ではなく、日々の生活や災害復旧を支える基盤へと変化している。国民の命や平和な暮らしにとって宇宙空間の利用は不可欠であるとして、防衛省は2025年7月、「宇宙領域防衛指針」を公表し、「いかなる状況においても宇宙空間の利用を確保すること」を目標に掲げた。8月末に防衛省が発表した概算要求でも、重点ポイントの1つとして「宇宙領域における防衛能力」が挙がっている。

技術的なハードルが下がるにつれ、多くの国や企業が宇宙での活動を開始している。衛星軌道上から地表の活動を観測することはもちろん、中には他国の人工衛星の活動を妨害しようという動きもある。「宇宙領域の防衛」のため、防衛省では、2026年度には宇宙領域における組織体制をさらに強化する方針を打ち出しており、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊(仮称)」へ改編する、とした。実現すれば1954年の創設以来の名称変更となる。

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