京都精華大学伝統産業イノベーションセンター 伝統産業の危機と新たな挑戦

平安時代から1000年にわたって都であり続けた京都には、古くから独特の文化が栄え、日本有数の伝統産業が発展した。今も多くの人を魅了する一方、産業としては楽観できない状況にある。京都精華大学伝統産業イノベーションセンター長の米原有二氏に、その現状と課題、将来の展望を聞いた。

米原 有二(京都精華大学 伝統産業イノベーションセンター長)

京都の街の変化が伝統産業に与える影響

京都は、全国的にも稀に見る伝統産業のメッカだ。西陣織や京鹿の子絞といった織物や染め、京陶人形や京すだれなどの工芸品、尺八や三味線などの邦楽器など、京都市が指定するだけでも74品目の伝統産業がある。京菓子や京漬物、清酒などの飲食物も含まれている点が、他の地域にはない珍しい特徴だ。

京都独特の文化や工芸品は、今も多くの人を惹きつけ、京都という街をいっそう魅力的にしているが、ビジネスとして見た場合には、決して楽観できる状況ではない。売上の低迷が続くなど、苦しい局面にあることも事実だ。

京都を拠点に、十数年にわたって伝統工芸を対象とした取材・執筆活動を続け、京都精華大学伝統産業イノベーションセンター長を務める米原有二氏は、その背景には3つの課題があると語る。

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