天然醸造を700年継承 時間に育まれた伝統の八丁味噌づくり

岡崎市の岡崎城にほど近い八丁村で創業したまるや八丁味噌は、700年近い歴史を誇る老舗企業だ。米麹や麦麹を用いず、有機大豆にこだわり、時間をかける天然醸造の伝統製法を今も守っている。代表取締役社長の浅井信太郎氏に、味噌づくりへの思いと、事業存続の秘訣と将来のビジョンを聞いた。

浅井 信太郎(まるや八丁味噌 代表取締役社長)

いち早く「有機」に注目し
世界20カ国で幅広く展開

まるや八丁味噌の創業は、1337年(延元2年)。実に700年近い歴史を持つ、八丁味噌の元祖だ。八丁味噌という呼称は、愛知県岡崎市の岡崎城から西へ八丁(約870メートル)の距離にある八帖町(旧八丁村)に由来する。この地は矢作川の舟運と旧東海道が交わる水陸交通の要所として栄え、原料調達や出荷の面での利便性が高いことに加え、矢作川の良質な水にも恵まれたことから、味噌づくりの条件が揃っていた。そこで開祖・弥治右衛門が醸造業を始めたのが、同社の起こりだ。

八丁味噌は、米麹や麦麹を用いずに大豆と塩と水のみでつくられる。同社では有機大豆にこだわり、添加物は一切使用しない。巨大な杉桶に仕込み、二夏二冬(約2年)の歳月をかけた天然醸造で熟成させるという伝統製法を頑なに守り続けている。一般的な味噌に比べて水分含有量が少なく、大豆の旨味を凝縮した独特の濃厚な風味と酸味が特徴的だ。

同社の代表的商品。中央にあるのが「有機八丁味噌」

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り78%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。