レーザーで非侵襲血糖値測定 「採血不要」で糖尿病の健康管理

日本に2000万人存在すると言われる糖尿病患者とその予備軍。従来は採血が必須だった血糖値測定だが、ライトタッチテクノロジーはレーザー技術を応用した非侵襲血糖値センサーの開発を推進、社会に大きなインパクトを起こそうとしている。

山川 考一(ライトタッチテクノロジー 代表取締役)

糖尿病患者・予備軍向け
採血不要の血糖値センサー

国が定める重要疾患の一つである糖尿病。血液中のブドウ糖(血糖)をコントロールすることができない病気で、脳梗塞や認知症などさまざまな合併症を引き起こすリスクがある。日本国内には、糖尿病有病者と糖尿病予備群は合わせて約2000万人が存在すると指摘されており(厚生労働省2016年「国民健康・栄養調査」)、今後も患者数の増加や医療費増大に伴う財政圧迫が懸念されている。

糖尿病患者数等の推移

出典:厚労省「2016年国民健康・栄養調査」

 

血糖値の測定は血圧などと異なり採血が必要であるため、糖尿病患者は1日に複数回、指などを針で指す「採血型自己血糖値センサー」を用いて血糖値を測定している。痛みや精神的なストレス、感染症のリスクに加えて、針などの医療廃棄物も発生する。血糖値の測定は糖尿病の早期発見・早期治療を実現するためにも不可欠なものだが、一般人が普段遣いするにはあまりにもハードルが高い。

「国内約1000万人とされる境界型糖尿病患者(糖尿病予備群)は重症化のリスクが高いにも関わらず、その自覚が非常に低いことが課題です。こうした人々が自宅で手軽に、採血なしに、繰り返し血糖を測定できるデバイスの開発が強く求められています。また、糖尿病治療に関わる医療従事者からは、『患者が自宅で測定した血糖値データをクラウド上で医師等が確認できるようになれば、より良い糖尿病管理支援が可能になる』という声も聞かれます。こうしたネットワークシステムの構築も重要な課題です」と話すのは、ライトタッチテクノロジー代表取締役の山川考一氏。

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