「救急隊向けアプリ」でアナログ依存の救急医療現場を改革

コロナ禍で大きな社会問題となった救急搬送困難事案、いわゆる救急患者の「たらい回し」。発生が止まらない背景には、紙と電話に依存した救急医療現場の情報伝達体制がある。TXP Medicalは救急隊向け患者情報記録・管理アプリにより、この課題解決に挑む。

園生 智弘(TXP Medical 代表取締役)

紙と電話に依存した救急医療現場の情報伝達

新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療の逼迫で、救急車を呼んでもすぐに搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」の増加が課題になっている。オミクロン株の感染拡大による「第6波」においても救急搬送困難事案は増え続けており、総務省消防庁の発表によれば、今年2月6日までの1週間での事案発生数は全国合計で5469件(うちコロナ疑い事案1983件)と過去最高を記録した。

コロナ禍に伴う医療の逼迫で、救急車を呼んでもすぐに搬送先が決まらない「救急搬送困難事案」の増加が課題になっている(写真はイメージ) Photo by jaraku/AdobeStock

こうした中で、「医療データで命を救う」をミッションに掲げ、救急医療のDXを進めるスタートアップが、TXP Medicalだ。代表取締役の園生智弘氏は現役の救急・集中治療医である。

「新型コロナウイルス感染症の蔓延は、救急搬送困難をはじめとした日本の救急医療の課題を炙り出しました。しかしこれは、15年前から解決できていない課題でもあるのです」

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