脱炭素政策の優先順位 10年以内に実現できることとその後の世界
国の脱炭素目標は、2020年の菅首相のカーボンニュートラル宣言で明確になったが、いかにして目標を達成し、脱炭素社会を実現していくのか。その戦術面を担う環境省・地球温暖化対策事業室の加藤聖室長が、近未来の取組を語った。
国際エネルギー機関(IEA)は今年5月、2050年までに世界のエネルギー部門で、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするためのロードマップを描いた「2050年ネットゼロ報告書(Net Zero by 2050: A Roadmap for the Global Energy Sector)」を公表した。
「報告書では、2030年までの排出削減について、8割程度は行動変容と既存の技術で対応するとしています。一方、2050年まででは、既存技術と同程度に、開発中の新しい技術による対策が求められています。このため、既存技術を用いた対策と技術革新を、同時に進める必要があります」。
環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室室長の加藤聖氏は、こう語る。一方、日本政府は温室効果ガス排出について「2050年までに実質ゼロにする」と目標を定めた上で、「2030年までに2013年度比で46%減、50%の高みを目指す」とする中間的な目標を掲げている。
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