火力発電事業者JERA ゼロエミ火力と再エネで目指す脱炭素

東京電力と中部電力が折半出資するJERAは日本最大の発電事業者だ。二酸化炭素排出の実質ゼロを目指しつつ、電力の安定供給を実現するための、ゼロエミッション火力の取組と、再エネ事業の拡大で脱炭素を目指す戦略を小野田聡社長に聞いた。

小野田 聡(JERA 代表取締役社長)

JERAは、東京電力と中部電力が50%ずつ出資して2015年に設立された企業だ。2019 年には、東京電力と中部電力の火力発電事業を承継し、日本最大の発電事業者となった。

これまで日本のエネルギー供給において、火力発電は一貫して「頼りになる電源」だった。小野田氏は「オイルショック前までは石油に依存していた火力発電燃料が、液化天然ガス(LNG)・石炭にシフトし、2000年ごろには原子力発電とともに理想的なバランスを実現していました。その後も、事故やトラブルで稼働できない原子力発電の電源の不足分を火力発電は補完してきたのです」と振り返る。

そんな火力発電だが、気候変動を抑制するための「脱炭素」への対応を迫られている。「火力発電ではこれまで、発電効率を高めることで、発電量はそのままに、消費する燃料を抑えるよう努力してきました。この方向性では二酸化炭素(CO2)排出量はゼロにはできません。また現在、再生可能エネルギーを拡大していますが、その発電量に変動があり、これを吸収できる火力の役割は依然として大きい。そこで、火力の燃料を変えてゼロエミッションを目指すという発想に行き着きました」。

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