Forema 害獣の肉を活かす事業で、生態系保全とビジネスを両立
山県郡安芸太田町を拠点とするベンチャー企業のForemaは、害獣として駆除される鹿や猪の肉を活用し、無添加のペットフードを販売するECサイトを運営している。人間の都合で処分される野生動物の命を無駄にしない事業を通じて、日本の生態系と経済にとってプラスになる事業体を目指している。
駆除される「害獣」の肉を
ペット用の無添加食材に
Forema代表取締役CEO の小泉靖宜氏は、広島県呉市の海や山に囲まれた自然豊かな地域で育った。同社設立前は、東京のITベンチャーでウェブ制作の仕事をしていたが、2011年の東日本大震災を機に、広島にUターンして独立。ウェブ制作をしながら立ち上げた複数の事業の中で、軌道に乗ったものの1つがForemaだったという。
「東京にいた頃、ジビエソーセージを開発した業者の方から『販路がない』という声を聞くことが多く、販路はテクノロジーの力で開拓できると考えました。最初は片手間でECサイトを作っていましたが、2017年に法人化しました」
農作物に被害を与える鹿や猪は、全国各地で「害獣」として駆除され、その多くが廃棄されている。また、近年は国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し、高級品のジビエとして販売する事業者も増えたが、販路の確保に課題があるほか、コロナ禍の中では飲食店への出荷も厳しい状況にある。このような中で、Foremaはそれらをペット用の無添加食材としてECサイトで販売し、事業を拡大してきた。
「もともと人向けにECサイトを立ち上げたのですが、お客さまからペット向けのリクエストがあり、犬や猫などのペット用商品を扱い始めたところ、そちらの引きが強かったのです。ペットの病気に関する様々な相談も寄せられ、現在の事業は療法食的な側面が強くなっています」
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