クニヒロ ベンチャー魂で、世界の牡蠣市場に切り込む

広島県は年間約2万トンという国内最多の牡蠣の生産量を誇るが、2023年2月、同県産の牡蠣が、日本で初めて欧州連合(EU)に輸出された。同県の中でも最多の出荷量となる年間約4000トンを扱う水産加工会社・クニヒロが輸出した、殻付きの冷凍牡蠣だ。同社の発展経緯と今後の事業構想を聞いた。

川﨑 育造(クニヒロ株式会社 代表取締役会長)

国内1位、世界3位の
牡蠣取扱量を誇るクニヒロ

年間約4000トンの牡蠣を出荷し、国内ではトップ、世界でも第3位の牡蠣の取扱量を誇る水産加工会社のクニヒロ。同社は1957年、牡蠣の産地問屋として創業。当初は生牡蠣の卸だけを行っていたが、1973年に尾道市に工場を建てて加工に進出し、牡蠣フライや冷凍牡蠣などの冷凍食品の加工を始めた。その後は事業の多角化を進め、牡蠣から貝類、貝類から水産物、水産物から食品というように扱う領域を拡げ、総合食品メーカーを目指してきた。

冷凍牡蠣などの水産加工品を生産する尾道工場

「しかし、多角化の戦略は、結局はあまり上手くいきませんでした。そのため、今から6年ほど前に、経営資源を一番得意な分野に集中し、選択と集中をしようということで、原点である生牡蠣と牡蠣の加工に特化することにしました。その方が、当社の強みが発揮できると考えました」と川﨑育造会長は語る。

クニヒロの強みの一つは、徹底した品質管理だ。民間企業では稀なノロウイルスの検査体制や、腸炎ビブリオ、サルモネラなどの様々な細菌の検査体制を備えている。

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