エイトノット 海を起点とする新たな経済圏の構築を目指す

小型船舶向け自律航行プラットフォーム「AI CAPTAIN」を提供するエイトノット。同社は広島県を中心とする瀬戸内海での実証実験を起点にして、誰もが海を身近に感じられる世界を生み出そうとしている。同社代表取締役CEOの木村裕人氏に、事業立ち上げの経緯や今後の事業構想を聞いた。

木村 裕人(株式会社エイトノット 代表取締役CEO)

水上移動手段の最適解を
テクノロジーで生み出す

2023年1月、広島市南端の宇品海岸エリアで、国内初となるロボット水上タクシーが営業を開始した。スマホや電話から予約でき、ロボットが自動で操船する自律航行船で目的地まで安全に届けてくれるため、「近場の離島へ気軽に食事に行く」といった新しい体験を得ることも可能だ。開発を手掛けるのは、スタートアップのエイトノット。「あらゆる水上モビリティを自律化し海に道をつくる」をミッションに掲げ、小型船舶向け自律航行技術開発を中心に「海のDX」と「船舶のロボット化」を進めることで、離島地域が抱える課題解決に挑んでいる。

「元来のマリンスポーツ好きに加え、海に近いアメリカのカリフォルニア州立大学に進んだことで、水上モビリティを活用したビジネスを構想するようになりました」と語るのは、エイトノット代表の木村裕人氏だ。木村氏は大学卒業後、アップルジャパンを経て、デアゴスティーニジャパンでロボティクス事業の責任者を経験。その後、バルミューダで新規事業の立ち上げに従事したのち、2021年3月に同社を設立した。

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