伝統をリブランディングし、「日本酒がある食卓」を世界に広げる
縮小が続く日本酒市場に若者や外国人を呼び込もうと、斬新なPRとブランディングで土佐清酒の魅力を発信している酔鯨酒造。150年の歴史を持つ老舗ながら、自社を「酒造ベンチャー」と称する4代目の大倉社長は、「日本酒がある食卓」を世界に広げることを目指している。
「酔鯨」の名に込められた
初代の思いを今に引き継ぐ
酒宴のことを「おきゃく」と呼び、老若男女が集い酒食を楽しむ独自の食文化が根づく高知県で、日本酒の魅力を新たな表現方法で国内外に発信している酒造がある。高知市内唯一の酒蔵、酔鯨酒造だ。
明治5年創業の酒蔵を前身とし、1969年から土佐清酒「酔鯨」の製造・販売を営んでいる。酒名は、幕末の土佐藩主・山内容堂が自ら名乗った「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」に由来し、「鯨のいる海の酔っぱらい殿様」という意味を持つ。キレと旨味を両立した香り穏やかな「酔鯨」は、高知の日本酒の特徴である食中酒としての魅力を追求し続け、今や全国的にも知られる存在となった。しかし、4代目の大倉広邦氏が2016年に社長に就任するまでは紆余曲折もあった。
「創業者である祖父はゼロ戦のパイロットでした。敵機を落とすたびに振る舞われた酒が非常にまずかったため、終戦後は納得のいく酒を作ろうと心に決めていたそうです。そして、地元の酒蔵を買収し、自らの手で日本酒造りを始めたのです」
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