四万十ドラマ 地域経済を支えながら、海外市場も視野に

ローテク・ローカル・ローインパクトを合言葉に、四万十川流域の地域資源を活かしたものづくりを追求している四万十ドラマ。2007年からは「道の駅四万十とおわ」を運営し、年商1億5000万円の施設に育て上げた。現在は「しまんと流域農業organicプロジェクト」が進行中だ。

畦地 履正(株式会社四万十ドラマ 代表取締役)

耕作放棄を逆手に取った安心安全な農業の復活

高知県の森林率は84%と全国トップ。中でも四万十町は森林率90%を越え、美しい山川や茶畑に囲まれた緑豊かな地域だ。しかし、高齢化率も高く、農林水産業の担い手不足は深刻な課題に。シイタケ、お茶、栗といった特産品の栽培も次第に縮小し、地域経済は活気を失いかけていた。その流れを反転させるきっかけとなったのが、1994年に事業を始めた四万十ドラマの存在だ。四万十川流域町村(旧大正町・十和村・ 西土佐村)の出資により第3セクターとしてスタートした地域商社で、発足時に唯一の正社員となったのが旧十和村のJA職員であった畦地履正氏だった。

「地元出身の私でしたが、改めて市場調査をしてみると、生産量日本一のシイタケ栽培や、川舟を作る技術を持つ舟大工など、ユニークな資源が多いことに改めて気づきました。そこで、地元の素材や技術、知恵を活かした1~1.5 次産業にこだわる『ローテク』、四万十川を共有財産に足元の豊かさや生き方を考える『ローカル』、四万十川に負荷をかけずに活用する仕組みを作る『ローインパクト』をコンセプトに、四万十川に負担をかけないものづくりを追求したのです。長く放置されていた耕作地は肥料も農薬も使っておらず、オーガニック栽培にぴったりでした」

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