Liberaware 狭くて危険な場所のデータを世界一持つ企業に

ドローン特区の千葉市に本社を置くLiberawareは、世界最小クラスの産業用ドローン「IBIS(アイビス)」を開発。トンネルや下水道、駅の天井などの狭所空間で、人に代わって点検業務を行い、取得したデータを分析して設備の異常検知にも対応している。同社の発展経緯や成長戦略を、社長の閔弘圭氏に聞いた。

閔 弘圭(株式会社Liberaware 代表取締役CEO)

狭小空間でも安定飛行できる
ドローンの開発を目指し起業

民生品ドローンの機体開発では、中国メーカーが市場の7割以上を独占する中、産業用ドローンで独自のポジションを確立しつつある日本企業がある。2016年創業のLiberaware(リベラウェア)だ。

同社は、千葉大学の研究員だった閔弘圭氏が2016年8月に設立。閔氏は元々、日本のドローンの第一人者として知られる、日本ドローンコンソーシアム会長で千葉大学名誉教授の野波健蔵氏のもとで、非GPS環境で動くロボットの研究に従事していた。それまでの研究成果をドローンに応用すべく、2013年に野波教授から経済産業省・資源エネルギー庁の原発プロジェクトに招集されたことが、のちの起業へとつながったという。

「プロジェクトの内容は、福島原子力発電所内の放射線量や温度、湿度といった内部環境を調査するというものでした。現場は瓦礫が散乱し、従来の地上を走行する機体では探索できない箇所が多かったため、GPSの電波が届かない屋内でも自動的に飛行できるドローンが必要だったのです。ところが、当時扱っていた機体は直径1mもあったため、現場からは『本当に見たい部分を調査できない』との声が上がりました。そこに歯がゆさを感じた私は、人が進入できない狭小空間でも安定して飛行できる小型ドローンを開発したいと考え、野波教授のもとで一緒に技術開発をしたメンバーを誘い、30歳の時に起業しました」(閔氏)

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